Nexediグループは、中央銀行における初めてのオープンソースERP「ERP5」の導入案件において、成功したことを発表します。本中央銀行において、5ヶ月間にわたる連続操業が経過しており、8ヶ国にまたがる、8千万人の金融システムを運営しています。オープンソース・プロジェクトが、これほど機密性の高いミッションクリティカル・アプリケーションを実現したことはかつてありませんでした。ERP5バンキングは無償でソースコードが公開されており、特定のベンダにとらわれることのない、経済活動の自由化を推進いたします。
本プロジェクトは、先月、株式会社Nexedi(本社・東京都品川区)の代表取締役に就任した奥地 秀則(おくじ よしのり)をはじめとする、Nexediバンキング・チームが中心となって開発が行われました。この成功事例をうけ、株式会社Nexediでは、これまで培われた技術やノウハウを日本市場に適用し、ERP5エンタープライズ・サービスの普及に努めます。
本プロジェクトの詳細は以下の通りです。
- 5ヶ月間に渡り、連日300人のアクティブ・ユーザに利用され、全く問題なく稼動しています。
- 32ノードのLinuxクラスタを用い、1時間あたり約5000件の複雑な取引業務を処理しています。
- グローバル・バンキングに必要とされる機能が、約60のモジュールによって完全にカバーされています。
- ERP5バンキングは、金融取引のため、SWIFTネットワークにリアルタイム接続されています。
- 3000以上の自動テストによって、品質保証を行い、アプリケーションや金融業務の細部を毎日検証しています。
- Nexediは、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカの各地に拠点を持ち、24時間体制のサポートを提供しています。
- ERP5バンキングは、Zopeアプリケーション・サーバの上で動作し、Zopeオブジェクト・データベース(ZODB)とERP5のアクティブ・オブジェクト技術の組み合わせによって、高いスケーラビリティを確保しています。
- オペレーティングシステムには、欧米で人気の高いMandriva Linuxディストリビューションが採用されており、安定性、利便性の両面で、高い性能を示しています。
以下に、関係者からのコメントをご紹介します。
奥地 秀則(おくじ よしのり・株式会社Nexedi 代表取締役社長、Nexedi SA CTO):「この成功事例は、大変に過酷な業務要件に対して、オープンソースが技術的に十分な能力を有している証拠となるでしょう。」
セバスチャン ロバン(Sébastien Robin・Nexedi SA ERP5 Banking Project Manager):「本プロジェクトの成功は、ワークフローやセキュリティ・ルールにおける、ERP5のこの上ない柔軟性、加えて、ERP5のコアが品質保証プロセスによって守られているおかげです。」
ロブ ページ(Rob Page・Zope Corporation CEO):「Zopeアプリケーション・サーバが、このような重要なアプリケーションを支えているというのは、大変喜ばしいことです。私たちは、この偉大な業績を成し遂げたNexediチームを祝福します。」
フランソワ バンシロン(François Bancilhon・Mandriva SA CEO):「Mandriva Linuxが本プロジェクトの成功に一役買うことができたことを、私たちは誇りに感じ、嬉しく思っています。今やオープンソース・コンポーネントは成熟を迎え、このような種類のプロジェクトでも十分に対応できるという、素晴らしい事例です。」
ジャン・ポール スメッツ(Jean-Paul Smets・Nexedi SA CEO):「オープンソースであるERP5は、全世界的な開発者コミュニティに支えられ、成長を続けています。ERP5が中央銀行に選ばれたのは、著名なERPパッケージ製品に失敗した後だっただけに、ERP5がオープンソースであるという事実がとても重要でした。今後の経済活動が特定のベンダに依存することなく、いつまでも利用し、進歩しつづけられることが、お客様が抱いていた最も高い関心でした。」